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自己PR②

【自己PR②】
本記事では、「自己PR」の考え方から、作り方などを解説していきます。

「自己PRって、エントリーシートでも面接でも、就職活動では常に出てくる場面があるけど、何を話せばいいの?」「いろいろな先輩の自己PR文を見たことがあるけど、どうやってエピソードを作ればいいのかわからない」「自己PRとガクチカが一緒になっちゃうけど、大丈夫?」など、いざ作ろうとすると気になることがたくさん出てきますよね。具体的な書き方がわからず悩んでいる方もいるでしょう。

自己PRは、就職活動、特に新卒者の採用選考における「三大質問(設問)」の一つと言われ、企業あるいは面接官から必ずと言っていいほど質問されることの一つです。

簡単に言えば、企業あるいは面接官が「自社に入社させるのに値する人物か否かを判断する指標」の一部、ということです。
企業は採用活動において、この学生に入社してもらったとして、入社後に「自社にとって有益な人物になるかどうか」を見ています。言い換えると自社の事業展開や事業戦略の方向性、さらには企業文化や社風、既存社員の雰囲気などを踏まえて、フィットしそうかどうか、を重視しています。これらを踏まえて就職活動に取り組むこと、そして、「自己PR」を正しく理解して取り組むことで、皆さんが希望する就職活動の成功が見込めるでしょう。

本記事では、人事採用責任者として、また人材コンサルティングや社員教育研修講師として多くの企業や就活生、求職者を支援し、成果を挙げてきた著者が、就職活動における「自己PR」の考え方から、作り方、必要な要素まで初心者でもわかるように徹底的解説していきます。


企業が期待する「自己PR」ってどんなモノ?

企業が求める人材とは?

そもそも、企業が求める人材とはどんな人でしょうか。今日の経済社会は高度成長期のような右肩上がりの時代は終わり、変化がめまぐるしく、先の見えない状況が続いていますね。こうした厳しい経営環境の中、企業がどんな資質能力を求めているかを考えておくことは、自己PRを考えるうえでもとても重要です。

よくどんな企業でもコミュニケーション能力は必要、という話をきくのではないでしょうか。実際に「これからの企業・社会が求める人材像」として以下の4つの能力が挙げられています。(経済同友会まとめ)

企業・社会が求める人材像
  • 変化の激しい社会で、課題を見出し、チームで協力して解決する力(課題設定力・解決力)
  • 困難から逃げずにそれに向き合い、乗り越える力(耐力・胆力)
  • 多様性を尊重し、異文化を受け入れながら組織力を高める力
  • 価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力(コミュニケーション能力)

いかがでしょうか。皆さんが認識していたコミュニケーション能力と定義は同じでしたか?企業が求めるコミュニケーション能力は、「人と話すのが得意」「初対面でも緊張せず楽しく会話ができる」ということではありません。
「聴く力」を発揮して相手の真意を汲み、双方向の対話ができるかどうかが重視されているということです。

経済産業省が提唱する「社会人基礎力」を参考にしよう

「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されますが、もともと学生が社会人にスムーズに移行するために必要な能力を言語化した側面もあり、自己PRを組み立てる際にはぜひ参考にしたい考え方です。
この内容は十数年ぶりに見直され、現行は「人生100年時代の社会人基礎力」とされています。

前に踏み出す力(アクション)

 主体性       物事に進んで取り組む力
例)指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む
 働きかけ力他人に働きかけ巻き込む力
例)「やろう!」と呼びかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく
 実行力目的を設定し確実に行動する力
例)言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む

考え抜く力(シンキング)

 課題発見力       現状を分析し目的や課題を明らかにし、準備する力
例)目標に向かって、みずから「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する
 計画力課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力
例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものはなにか」を検討 
し、それに向けた準備をする
 創造力新しい価値を生み出す力
例)既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える

チームワークで働く力(チームワーク)

 発信力       自分の意見を分かりやすく伝える力
例)自分の意見をわかりやすく整理したうえで、相手に理解してもらうように的確に伝える
 傾聴力相手の意見を丁寧に聴く力
例)相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出す  
 柔軟力意見の違いや立場の違いを理解する力
例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する
 状況把握力自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する
 規則性社会のルールや人との約束を守る力
例)状況に応じて、社会のルールに則って自らの発言や行動を適切に律する
 ストレスコントロール力ストレスの発生源に対応する力
例)ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて
肩の力を抜いて対応する

まず自分の自己PRを考える上では、これらを参考にしながら、これまでに自己分析をした自分と照らし合わせてみると良いでしょう。学業でも資格取得でも留学でもアルバイトでもゼミでも部活動でもボランティア活動でも何の話でも構いません。

面接官
面接官

あなたの(仕事で活かせると思っている)強みはなんですか?

この質問に対する答えとして、どんな力があると言えるのかを考えてみましょう。
ただ、少なくとも就職活動において、希望する企業と良い関係を作りたいと思っている自分がどんな人間なのかを伝えること、という側面から伝えようとする「自己PR」としては、 入社後に「自社にとって有益な人物になるかどうか」でみられているのですから、相手があなたに対してそう思ってくれるかどうか、入社してから活躍しそうだとイメージしてもらえるかどうか、がポイントになるわけです。

ですから、その力があるということをどのように伝えるか、が重要になりますね。

この続きは「自己PR3 自己PRの作り方編②」で解説します。

動画ではもっと詳しい内容を視聴できます!こちらからご覧ください。

この記事を書いた人


深澤 絢  (ふかざわ あや)

大手IT企業や外資系企業の人事採用責任者、また人材サービス業界での就活生支援など、学生の面接に携わり20年。現在は企業に対する人材コンサルティングや教育研修講師として社員のキャリア開発に携わる。これらの経験から企業がどんな学生を欲しがるか、企業で活躍し続ける社員に共通することは何かを分析し、各種セミナーや大学での講座等で学生にポイントやコツを伝授し続けている。民間企業のみならず公務員への就職支援にも携わる。「受かるシリーズ」の人気講師。学生面接実績4万人以上、就職相談2万人以上の実績あり。

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