【ガクチカ④】
本記事では、「ガクチカ」を作る際の注意点について
徹底解説していきます。
「ガクチカでは、どのようにエピソードを作成すればいい?」「ガクチカの書き方がわからなくてもエントリーシートは通過する?」「自己PRとガクチカって一緒でいいの?」このように、ガクチカを作ろうとしても、具体的な書き方がわからず悩んでいる方もいるでしょう。
ガクチカとは、就職活動、特に新卒者の企業選考において、「三大質問(設問)」の一つと言われ、企業あるいは面接官から必ずと言っていいほど質問されることの一つです。
簡単に言えば、企業あるいは面接官が「自社に入社させるのに値する人物か否かを判断する指標」の一部だということです。企業は入社させる人物を決定するにあたり、学生や求職者が「自社にとって有益な人物であるか」を重視するため、入社を希望する企業の業績への貢献や企業文化、社内雰囲気にフィットしているかを第一に考えながら、就職対策をすることが重要になるのです。
「ガクチカ」を正しく理解して取り組めば、就職活動の成功が期待できます。
そこで本記事では、人材コンサルティングやキャリアコンサルティングで多くの企業や学生、求職者を支援し、成果を挙げてきた著者が、「ガクチカ」の重要な考え方から、作り方、必要な要素まで初心者でもわかるように徹底解説していきます。
シリーズ化して、ポイントも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
あなたの「ガクチカ」自慢になっていませんか?
前回、「ガクチカ」の作り方とそのポイントについて書きました(前回の記事も合わせて読んでみてください)。今回は、「ガクチカ」の作成時における注意点をお伝えしていきます。
多くの就活生から相談を受けたり、あるいはエントリーシートの添削を依頼されたりする中で、学生時代の経験談、エピソードの題材として多いのが、アルバイトやサークル、部活動、学園祭実行委員、学業、留学、でしょうか。
題材として良い、悪い、ふさわしい、ふさわしくない、という議論をしたいわけではなく、面接官への伝わり方として、自慢話や美談、理由もない成功例になっていませんか?という点に気をつけなければならないということです。自慢話や美談、成功例になってしまうと、就職活動における「ガクチカ」というビジネス文書ではなく、単なるエッセイやレポート、コラム、作文のようになってしまいます。
例を挙げてみましょう。
例)個人指導塾のアルバイトを学生時代に力をいれました。担当した生徒さんは勉強が苦手でした。そこで、生徒さんに寄り添い、一生懸命サポートした結果成績が上がり、志望校に合格する事ができ、親御さんからもとても感謝されました。
いまこれを読まれているあなたはどう思いますか?
個別指導塾のアルバイトというエピソードが悪いというわけではありませんが、よく考えてみてください。一生懸命勉強をし、努力して、成績を上げたのは生徒さん本人。志望校に合格したのも、生徒さん本人です。
成果を出したのは生徒さん本人です。もちろんこの方のサポートによる影響が大きいとは思いますが、面接官からすれば、この方は一体、何に熱中し、どんなことをしてきたんだろう?と思ってしまいます。単なる自慢話なのか?とも思ってしまうということです。
もうひとつ紹介します。
例)学生時代は学業に力を入れてきました。ゼミや研究室での勉強を一生懸命に行いました。
さて、これを読まれているあなたは、どんな人物を想像しますか? 一生懸命に勉強に力を入れてきた、取り組んできた、頑張ってきた、という方ですからとても優秀な成績を収めている人なのではないか、と想像しませんか?面接官も同じように想像するでしょう。ところが、成績があまり芳しくなかったらどうでしょうか?ちょっと「ん?」となりませんか?アピールをするつもりだったものが逆にマイナスになる、ということは多々あります。
本当にのめり込んだことってなんだろう?
前回の記事でもお伝えしましたが、「ガクチカ」、つまり学生時代に力を入れたこと、頑張ったこと、取り組んできたことから面接官が知りたいのは、あなたの、興味や関心、価値観という部分です。つまりはあなたが熱中してきたこと、熱中というと「そこまでは…」という方もいらっしゃいますので、のめり込んだでも構いません。
好きで取り組んだ、時間をかけた、継続した、集中した、でも構いません。あなたはどんなことに興味を持ち、関心を持ち、どんなことにのめり込むような人物なのでしょうか?
本当にアルバイトや学業にのめり込んできたのでしょうか?長い学生時代の中で、あなたがのめり込んできたことはたくさんあったはずです。趣味や特技、サークル、部活などなど、何に前向きに、前のめりで取り組んできましたか?
なにも特別なことでなくもていいのです。普段の日常に中でさえ、あなたがのめり込んできたことはたくさんあったはずです。ぜひ、それを教えてください。
学園祭の実行委員に力を入れたという方がいました。何度もいいますが、エピソードとして悪いと言っているわけではありません。しかし、長い学生生活の中で、1回だけ体験した実行委員にそんなのめり込めるでしょうか?もし、このエピソードを使うのであれば、実行委員という役割や取り組んだことの中で、どんなことにのめり込んだのか?を見つけるといいでしょう。
3ヶ月の留学を頑張ったという方がいました。もう一度言いますが、エピソードとして留学が悪いといっているわけではありません。しかし、長い学生生活の中でのたった3ヶ月間であれば、面接官からすれば、もっと他にもあるんじゃない?と思ってしまいます。留学のエピソードでは、留学にいった3ヶ月間よりも、準備期間の方に目を向けてみましょう。留学に行きたい!というその熱意で、さまざまなことに取り組んできたのではないでしょうか?
結果や成果だけに着目するのではなく、結果や成果を出すためのプロセスや準備期間に本当の「ガクチカ」が埋まっているかもしれませんよ。
動画ではもっと詳しい内容を視聴できます!こちらからご覧ください。
この記事を書いた人
佐藤 洋介 (さとう ようすけ)
人材サービス業界歴20年以上。企業に対する人材コンサルティングを手掛ける。これまで学生、社会人問わず就職相談実績1万人以上。面接官として面接してきた人数2万人以上。
資格/国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシテーター
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